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対談 田中 亜紀 氏 × 水越 美奈 氏
~アニマルシェルターとボランティアの未来~

━━初めてボランティアに参加する方が犬猫の接し方が分からない場合は…

田中・水越
教育があれば、そんなことはないですよ。
田中
ボランティアをするためには、犬猫を触るためにそこまで何時間というトレーニングや講習を受けなければいけないんです。何も知らない状態で、じゃあやりましょうということはあり得ないです。
水越
例えば、パネル渡されて、シェルターに行って犬の状態を観察して、この犬についてどう思いましたかっていうボディランゲージの読み方の練習や、犬の散歩の仕方という講習会もある。
犬を触るところまでのボランティアレベルになるためには何段階もあるんですね。
ただ、そこには向いていない人でも、シェルター内ではほかのかかわり方があります。
田中
インターネットが得意だったら、その分野で携わるというボランティアとか。
水越
犬猫ボランティアは犬猫に直接「接する」というイメージがあるけれど、それ以外のこともたくさんあるんですね。逆に、犬猫に触れる場合はかなりトレーニングさせられます。
田中
ましてや社会化ボランティアともなれば、かなり高度ですね。譲渡カウンセラーは経験も必要でとても大変です。

━━今回被災地、福島でのセミナー開催でしたが、3.11後、お二人がいろいろな活動に携わって、一番印象に残っていることはなんですか?

田中
震災から3カ月後に陸前高田に初めて行って、何もなかったことにただただ呆然としました。
水越
災災害時の活動という意味では、私は阪神淡路大震災が最初なのですが、そこでしつけや所有者明示がとても重要だと認識し、セミナーでも言い続けてきました。それは基本的には変わりませんが、例えば同行避難などは今回の津波の震災の場合、どうしようもないことがあるんだと思い知らされました。
同行避難するためにはクレートトレーニング(※注3)は必要ですが、今回は被害を受けた動物があまりにも多く、無常さを感じていますね。
それと、以前はマイクロチップを否定するわけではなく、名札があればいいと思っていたんですが、今回助かった犬たちも首輪や名札がついていなかったケースが多く、確かに災害は突然やってくるわけで、それを見るとやはりマイクロチップの重要性を感じます。
最近セミナーで付け加えるようになったのは、1カ月に1回でも携帯にペットの写真を撮っておくよう伝えています。特徴があるならまだしも、純粋種が多い中で、飼い主じゃない第三者が見ると違いが分からない。やっぱりはぐれた時に第三者が見て分かる写真、特に最近の写真が必要ですね。

*注3:クレート(ケージ)の中を自分の部屋、寝床、一番安心できる空間と認識し、その中でリラックスして、休憩したり寝ることができるようにする訓練

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